Simpel en Lekker

オランダでの日々の生活、子育て、仕事

イエナプランのお勉強

11月8日の夜、学校でイエナプランについての説明を行うイベントがあったので夫婦で参加してきました。

イベントは学校の保護者向けのメールに告知されていたのですが、参加してみたら、我々夫婦の他に保護者3人、先生2人のたった7人の小規模な会でした。(今回は、入学したばかりで、イエナプランの事を詳しく知らない親向けの会でした。)
参加者
・1年以内に隣町からバレンドレヒトに引っ越し&転入してきた親が2組
・近隣のキリスト教系の学校で先生をする保護者1人
・娘のクラスの担任の先生
・全クラスを包括的にみるコーディネーターの先生
でした。

覚えていることで、気になったことを箇条書きで

・イエナプランの教育は特殊
2人イエナプランの先生もイエナプランではない学校で教えたこともあるのだそうですが、やはり全然違うそうです。
また、キリスト教系の学校の先生の保護者も本当に違うといっていました。(近所の人や周りの親からもカソリック系の学校は伝統的な日本的な教育方法のところが多く、イエナプランと比べると厳しいという話を聞きます。)
何が違うかと言うと、本当に色々違うのだそうですが、マルチプルエイジ、自力学習、教科を超えた学習、一人一人の個性を大切にするなどが皆違うといっていました。また、転校してきた親たちが4歳や5歳から子供たちがプレゼンテーションをしているの見て、前の学校では絶対にそんなことはなかったと驚いていました。
親も教師も21世紀を生きていく子供たちが必要な教育だと考え、選んでいる人が多いようです。

・イエナプランの学校も様々、どんどん変わる
この2年間だけでも、かなりやり方を変えているそうです。常に最新の脳科学や教育学の研究を参考にして、アップデートして、試行錯誤しているのがみられます。
リヒテルズさんの著書の中で、オランダでは100の学校があれば100の教育があると書かれていましたが、これはこちらに来て色々な人と話をする中で感じます。また、イエナプランの学校も学校によってかなり違うなというのを娘の学校と研修で視察した学校を見比べても思います。
娘の通うイエナプラン教育の学校も、学習する組織なども含め、良いと思ったことはどんどんと取り入れて行くので、どんどんと変わっていきます。

・フィードバック
上記に紐づくことですが、イエナプランの特徴としてあげられているフィードバックの仕組みはとても大切で、最近わかってきたのが、一番重要で効果的なフィードバックは、子供達同士のフィードバックが一番成長に効果を与えるとのことです。

・プランの仕組み
こちらもイエナプランの自力学習には欠かせないですが、今年から新しいやり方になっているようです。

・宿題はない
こちらも、研究が進めば進むほど、小学生のうちの宿題は逆効果で、宿題を出す方が学力が下がるというレポートがアメリカでもオランダでも出ているようで、引き続き宿題は無しで行くそうです。

・ワールドオリエンテーション
こちらについては、運用がイマイチわかっていなかったので、質問をして教えてもらいました。あくまでうちの学校はですが、ワールドオリエンテーションの時間を取るといのではなく、ある期間(年に6個のテーマ)の学習を全てワールドオリエンテーションに紐づけてやっているようです。
なので、時間割の中でワールドオリエンテーションの時間があるのではなく、全てがワールドオリエンテーションに繋がっているのだそうです。
例えば、今は「Boerderij(牧場)」がテーマです。娘のいる1,2年生のクラスだと絵を描いたり、それに関する話や本をしたり、見学に行ったり、もう上の学年になると生物として扱ったり、算数につなげたり、経営についてやったり、様々な観点から扱っているようです。

・イエナプラン教育の大事にするもの
これはよくいう7つの要素
- Ondernemen(Entrepreneurship)
- Plannen(Planning)
- Samenwerken(collaboration)
- Creëren(Creating)
- Presenteren(Presentation)
- Reflecteren(Reflection)
- Verantwoorden(Responsibility)
私自体が起業家ということもあり、一番上のEntrepreneurshipについては気になっていたのですが、イニシアチブとか自主性、独立性とかを意味するようです。そしてこれを一番大切にしているとのこと。

・CITOテスト
中学の進学を決める全国の統一テストなのですが、こちらに向けての勉強はうちの学校は一切しないようです。進学に影響が高いので、こちらのテストに向けて力を入れている学校も多いです。日本の受験と同じで、子供へのストレスなども含めてオランダでも賛否両論です。
ちなみに、娘の通う学校はCITOテストでは正しい学力をはかれないといということで、CITOテスト自体を受けていないそうです。その代わり、別のテストを受けて進学の参考に使っているそうです。ただ、その試験のための勉強も特にしないとのことです。

2時間7人でずっと話していたので、もっと話したことはあったのですが、とりあえず今思い出せることはこんな感じ。

追記
妻が、学校で担任の先生に「先日の会はとっても参考になったわ。ありがとう。学校もどんどんやっていることが変わるのね。」と話すと、
先生は、「ええ、どんどん新しいもので良さそうなものは取り入れて行くのよ。全部がうまく行くわけじゃないけど、うまくいかないものも大事で、そこから学ぶものは大きいの。そして、私たちも絶えず学び続けているの。」と言っていたそうです。

この精神って大切ですよね。

Rotterdamの建物に書かれていた"I have to change to stay the same"と言う言葉をふと思い出しました

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パパ