Simpel en Lekker

オランダでの日々の生活、子育て、仕事

オランダにきて3年(長文です)

今日でオランダにきてからちょうど3年が経ちました。色々なことがありましたが、もう3年も住んでいるなんて信じられないくらいあっという間でした。

外国って大変でしょ?とか移住って大変でしょ?とか海外でビジネスするって大変でしょ?などよく聞かれるのですが、実際はそんなことはなく何不自由のない生活をおくれています。(もちろんトラブルや失敗も色々ありましたが)

振り返ってみると、この5つが大きかったなと思います。

1.子供達がすぐに馴染んで楽しそうにしていること
2.成熟した国家に住めていること
3.テクノロジーの進化
4.仕事が順調にすすんだこと
5.地域コミュニティにめぐまれたこと


1.子供達がすぐに馴染んで楽しそうにしていること
引越し先の家をいくつか見たのですが、最終的に何軒かで迷った時に、便利だし、学校に一番近いところにしようと、学校の本当に目の前の家を選びました。
それが幸いして、子供達が入学する前から、学校で放課後遊んでいるお姉ちゃん達が、めぐみを可愛がってくれて、入学する前から友達(面倒を見てくれるお姉ちゃん)がいっぱいいる状況で、本当に助けられました。
彼女達には感謝をしても仕切れないくらい、感謝をしています。

子供の教育や育つ環境が移住の一番の理由だったので、これが予想通り素晴らしいもので本当に良かったです。

学校自体にも満足していますが、それ以上に上級生の人間性が素晴らしく、あの子達に出会えたことはうちの子供達にとって本当に幸運だったとおもいます。

また、子供が学校に入学するタイミングで移住できたことは、親にとっても幸いでした。オランダ人の親にとっても新しい人生のライフステージで、簡単に友達ができました。これが編入だったり、中学からだったら、今ほど簡単に友達がいっぱいできなかったかもなと思っています。後述しますが、近所の友達含めて社会人に入ってからこんなに多くの友人が、まさか海外でできるとは思っていなかったです。
どちらも全く想定していたことではないラッキーでした。

2.成熟した国家に住めていること
日本は世界でもトップレベルのConvinientな国だと思います。
インフラも発展しているし、時間にも正確にものごとが動きます。特にオランダに移住する前は、東京のど真ん中に住んでいたので、世界でもかなり便利なところに住んでいたはずです。
地下鉄も2、3分に1本の割合でくるし、タクシーもどこでも捕まるし、コンビニもいっぱいでした。今住んでいるのが、オランダの都市部ではなく、都市から15分程の住宅街に住んでいるので、東京のど真ん中と比べるのはナンセンスですが、流石にそれほどの便利さはなくなりました。

電車は15分に1本しか来ないし、遅延もしばしば起こります。日曜日にしまっているお店は多いし、24時間営業の店なんて見たことないです。
ただ逆に銀行も行政のシステムも日本よりオンライン化が進んでおり、そもそも訪れる必要があまりないし、事前にネットでアポもとれるし、日本のように銀行がなぜか15時に閉まるとかもないです。
駐車場も携帯のアプリからタップするだけで、位置情報から自動で簡単に支払いができたり、この3年で現金での支払いは数回しかしたことないくらい、キャッシュレスも進んでいます。

日本の便利さは、営業時間が長い、時間に正確、パッケージなどのダメージが少ない、スピードが早いなど、ひたすらビジネスのトレランスを高めていく便利さなんだなと考えています。
ただビジネスで必要以上にトレランスを追求していることにより(そしてトレランスを高めたからといい販売価格を高められていないことが)、ビジネスに歪をうみ、それが近年明るみにでている多くの不正問題や異常な労働環境が生まれてしまっていると僕は考えています。

このように個人的にも社会的にも便利さのトレードオフはありますが、僕は深夜まで営業しているお店などは、自分のライフスタイルに必要としていないので、電車の遅延以外はオランダのほうが総合的に見て快適さを感じています。日本的な便利さを求める人はオランダは嫌かもしれないですが、僕たちには、意外に便利で、多くの人が時間的にも心理的にも余裕があるこの国に住めていることは、非常に心地よく感じています。

ただオランダは日本ほどのトレランスは確実にありませんが、パラダイムシフトして、システムそのものを便利にするという点では、オランダのほうが得意なのかもなと思ったりします。きっと同性での結婚や、オンラインバンク、Wi-Fi、安楽死などを世界で1番最初に始めたように、車の自動運転なども、この国は割りと早くはじまるんじゃないかなと思っています。(すでにオランダではガソリン車の販売は2035年以降は禁止が決まっていますし、自動運転のバスも既に稼働しております、一部の地域では来年から自動運転が導入されます。)ベーシックインカムも同様にユトレヒト市で実験が始まっております、可能性はあると思っています。

3.テクノロジーと社会の発展
僕は、この3-5年のオランダのことしか知らないのですが、15年前にもオランダに移住していたら全く別のように感じていたと思います。

・食品
周りの話を聞いていると、20年前はこんなに色々な食材も売っていなかったし、日本のものもなかったようです。(まあ、日本でもそうですよね)
農業の発展、物流の発展、インターネットの発展で、ビジネスの発展、社会の多様性の発展で、欲しいものは大体オランダにいても簡単に手に入るので不自由していません。

オランダ人は日本人以上に様々な国の食事を食べるので、その一つとして日本食も簡単に手に入ります。例えばオーガニックのスーパーには、オーガニックの醤油や味噌だけでそれぞれ10種類くらいあります。日本にいるよりオーガニックの日本食品は簡単に手に入るくらいではないでしょうか?

あえてあげるとしたら、切れにくいサランラップ、風味が少し違いサラサラしているごま油、豆腐などは、オランダにはあるものの自分達の馴染んだものがなくて不便に感じます。

ただ、うちはお寿司とか生魚をもともとそんなに食べないし(そんなに好きじゃない)、サシがいっぱい入た和牛や焼肉もこちらの肉に慣れてしまい、嫌いになってしまったのもあり、日本食が恋しくなってないというのもあるかもしれません。

・コミュニケーション
これはオランダとか日本関係なしにテクノロジーの進化には本当に感謝です。
東京にいる時と時差以外なにも変わらずに、家族とも友達とも、ビジネスでも、無料もしくは安価にLINEやSkypeやFacebookで連絡もとれ、日本語の本もKindleで読めてしまいます。オランダでは日本人の知り合いは数人しかおらず、合計で年に10回も合わないのですが、全く日本に対してホームシックを感じたことはないです。家族で暮らしていることもあるかもしれません。

あえて挙げるとしたら、何かあった時、どうしても会いたいときに、日本にいたらその日のうちに会えるけど、オランダからだと一日かかるという違いだけでしょうか。
本当に今の時代じゃなかったら移住も全然違っただろうなとよく思います。

4.仕事が順調にすすんだこと
日本いた時は、不動産ビジネスや、撮影ビジネスをやっていましたが、オランダに移住してはそのビジネスは難しいので、思い切って全てを辞めて、貿易ビジネスに挑戦しました。
実は、オランダに移住する際、最悪3-5年はビジネスがうまくいくまで時間がかかることを覚悟していましたし、それでも駄目ならサラリーマンに戻る選択肢なども考えていました。

しかしこれが、たまたま初年度からうまく行き、3年連続で成長し続けていったことは、精神的にも経済的にも本当に大きな支えになりました。

成功の要因は、
・日本での業務を信頼して任せられるパートナーを見つけたこと
・オランダで良いビジネスパートナーが何人も見つかったこと
・今までのビジネスの経験・新しいことに挑戦したこと

逆に、今までの人脈とか、知識なんてあんまり役に立たなかったので、とにかくチャレンジして、オープンマインドで、頭にしっかり汗を書いて、戦略的にアクションをとるのみだなと実感しました。

また、日本にいる時どこで押さえていた、アグレッシブな気持ちが全面に出てくるようになってきています。(危機的状況に見を置くことで精神も神経も研ぎ澄まされるし、オランダとか日本ではなく、日本で勝てるビジネスをしているという自分のコンフォートゾーンを飛び出したことが大きかったのかなと思います。)人間はどうしても環境に反応して生きてしまうので、自分で環境を変える努力をするべきだと再実感。

このことを書き出すと、キリがないのでこれくらいに。

5.地域コミュニティにめぐまれたこと
これは、予想もしていなかった素晴らしいプレゼントでした。オランダが好きでオランダに移住したものの、コスモポリタンとして、場所に固執せずにインターナショナルに行きたいとずっと思っていました。家も、子供達の学校の都合で住宅街に住むことにしましたが、本当はもっとコスモポリタン都市のど真ん中に住みたいなと思っていました。

僕は、今までの深く近所付き合いをしたことがありませんでした。もちろん東京に住んでいたときも港区青山赤坂地区の街づくりの委員会に所属していたり、近所に知り合いともいたり、ご近所で挨拶したり、話したりする人はいたので、近所付き合いはそれなりにしていたし、そういうものなのかなと思っていました。

そんな僕たち夫婦でしたが、今住んでいる街というか家に住んで価値観や考え方がガラッと変わりました。
・外を5分も歩くと、絶対に知り合いに会ってしまう。
・お隣さんとの近所づきあいが濃厚で、一緒に遊園地に行ったり、子供の面倒を見てくれたり、食べ物をシェアしたり、お互いの家事や雑務があれば手を貸しあったり、ものを貸し借りしたり。
・家の両隣もその隣も、向かいの人も裏庭の人も、斜向かいの人もみんな知り合いで、お茶もご飯も招待したりされたことがある。
・それ以外にも半径100mの中に何人知り合いがいることか、こちらも挙げていけばキリがないです。こういった濃密な近所づきあいは、僕の人生で初めてでした。

また、これだけ近所づきあいがあるのですが、他人の目が気にならず、お互い助け合いながらも、干渉はせずに、好きに生きているのがたまらなく心地良いんです。(オランダも町によっては干渉が強い地域もあるし、都会など近所づきあいが少ない地域もあります)

自分の属している地域コミュニティーに深く関わることの喜びを初めて知りました。本当に、この街の知人、ご近所さんには感謝しかないです。

うまくいっていないこと
逆にうまくいっていないことは、オランダ語に尽きると思います。生活には何不自由しないし、コミュニケーションも取れるのですが、やっぱりまだまだ足りない。正直周りからは3年しか住んでいないのに、とても上手だと妻も僕も言われますが、やっぱりもっと上手くなりたい。(娘に関してはネイティブの子供より流暢だそうで、むしろ日本語が心配)3年も住んでいたらもっとうまく喋れると思っていました。
次の数年は改めてオランダ語を頑張りたいと思います。

最後に
ある意味移住前に予想していた以上に快適で満たされた生活をしており、それ以上に予想もしていなかった幸せを手に入れています。
5年前はオランダにくることも想像もしていませんでした。というか、オランダを人生で1回も訪れたことがありませんでした。子供が生まれなければ、イエナプランの研修に参加してオランダを知らなければ、起業家として生きていなければ、絶対にこんな生活をすることはなかったと思っています。

次の5年も、その後の人生も、今からは全く想像もできないような、素晴らしい人生になりますように!

パパ