Simpel en Lekker

オランダでの日々の生活、子育て、仕事

働くことについて法律的に考えた

バケーションから戻ってから、どうも最近働く意欲が湧かずに困っているパパです。

あまりにもやる気がないので、仕事以外のどうでも良いことばかり考えてしまいます。

海外に住んでみると日本が客観的に見えるというけど、確かにそうかもなと思うことがあります。
例えば、オランダに住んでいると、なんで僕はこんなに一生懸命働いているのだろうなと思うことがあります。だって、周りはそんなに一生懸命に働いていないのだもの。失業中のお父さんでも、それを恥じるような態度はなく、堂々と今失業してるんだとのんびりしています。
きっと、当たり前のように自分の中にあった「働くことは尊いこと」というような価値観や、無意識のうちに植えつけられていた「働かざる者食うべからず」というような価値観もあるのかもしれません。

そもそも国民の3大義務の勤労の義務って何なんだろうと調べてみました。

Wikipediaによると、

国民の三大義務(こくみんのさんだいぎむ)とは、日本国憲法に定められた「教育の義務(26条2項)」「勤労の義務(27条1項)」「納税の義務(30条)」の日本国民の三つの義務を指す。

そして

第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。児童は、これを酷使してはならない。

 とあります。日本においては、学校で習ったように労働というのは権利ではなく義務だそうです。

共産主義じゃないんだから、なんで勤労の義務があるんだよと思ってもっと調べてみると、世界中で法律で勤労の義務があるのは共産主義国家以外では日本だけでした。

それどころかなんと、現在勤労の義務が法律であるのは、北朝鮮だけでした。

過去にもソビエト連邦と、ヴァイマル共和時代のドイツのヴァイマル憲法ドイツ国憲法でのみ存在した法律だそうです。

共産主義じゃないんだから、なんで勤労の義務があるんだよと思ってもっと調べてみると、世界中で法律で勤労の義務があるのは共産主義国家以外では日本だけでした。

しかも、「児童は、これを酷使してはならない」ということは児童も一応義務はあるし、児童以外なら酷使しても良いというブラック企業を是正しかねない憲法なようです。

 

さらにびっくりしたのは、
GHQの憲法の27条の草案を読んでみると

Article XXIV.  In all spheres of life, laws shall be designed for the promotion and extension of social welfare, and of freedom, justice and democracy.Free, universal and compulsory education shall be established.The exploitation of children shall be prohibited.The public health shall be promoted.Social security shall be provided.Standards for working conditions, wages and hours shall be fixed.
Article XXV.  All men have the right to work.

労働の権利については記載しているものの、義務なんてないんですよね。

何でこんな憲法になったのか謎でしょうがないです。

 

日本国憲法には、海外居住者に日本国憲法の効力が及ぶのかどうかの明確な記載はないため、僕に適応するのかは、裁判所の判断次第ですが、僕には労働からの自由は今の所なさそうです。

 

こうやってみると、やっぱり日本国憲法は、今の時代にはフィットしていないものも多く、憲法は時代に合わせて変えていくべきなのではないかなと思ってしまいます。

 

憲法改正についても、海外の事例を調べてみると、面白いことがわかりました。

アメリカ合衆国の憲法は1787年に制定されて、何とこれまでに27回改正されていて、ドイツは1949年に憲法にあたる基本法が制定られて、これまてまに60回改正されていました。
よく考えてみれば、民主主義というのは、最初から適切な法を作るシステムではなく、修正できるメカニズムを組み込んだシステムなのに、日本が70年以上も修正していないということが異常なのかもしれませんね。

そう考えると、日本は憲法では資本主義国家でありながら資本主義ではなく、憲法の運用は民主主義でもない国なのかもしれません。

世界はより複雑に、そして変化が早く激しくなっていますが、世界が複雑であればあるほど、変化が大きければ大きいほど、出発点の条件設定より、その後の修正が重要なのではないかと思っています。

 

パパ