Simpel en Lekker

オランダでの日々の生活、子育て、仕事

語学について思うこと

こちらに来てもうすぐ5年が経ちます。こちらに来るまで、一度も、耳にも目にもした事がなかったオランダ語。当然ながら、最初は見ても聞いても全く理解不能。

この4年間、毎日、何らかの形でオランダ語に触れたり、勉強している成果もあり、5年前とは比にならないくらい上達しました。もちろん、聞き取れない事、知らない単語など、簡単に一度では理解できないことも山ほどあるなかで、一つ気が付いた事がありました。

話は随分と昔、めぐみが生まれてすぐの頃です。東京と言う土地柄もあったと思いますが、めぐみを連れて歩いていると、英語の幼児教室に体験入学をしてみないかと、よく声をかけられました。

いくつか体験入学に行ってみたのですが、そこで口を揃えて言われたのが、「耳は2歳までに出来上がるから、2歳までに英語教室を始めることが大切。それを過ぎると耳は英語を上手く聞き取れなくなる。」と。まるで半分脅迫のように。そして実際、きっと英語が必要になるだろうと頭のどこかで思い込み、小さい頃から英語教室に入れるべきか悩んでいました。

最近になって、ちょっと待てよ、と。40歳近くから始めたオランダ語だけれど、結構聞こえるようになっているじゃないか!私。日本語にない発音だって、努力もあって今は出来るようになっている。めぐみだって3歳半からこちらに来たけれど、友達の親には、めぐみのオランダ語は、他の子供たちと文法も発音も全く大差ないと言われます。

2歳までに聞いておかないと、、、って言われていたのは何だったのだろう。色々な研究がされ、この話も一理あるのかとは思いますが、それを全く鵜呑みにする必要もないと今は思います。

うちの子供たちの通う学校の子供は、卒業する時点では、英語を上手に話せている子は少ないです。ですが、中・高校と卒業するころには、殆どの子供が上手に英語を話しています。どころか、フランス語、ドイツ語、スペイン語も話せるようになり、大学へ行く子供たちは、ラテン語やイタリア語、ギリシャ語など、より多くの言語を話せるようになっています。

オランダ語が、英語に近い言語であるのは事実ですが、オランダ人が当たり前のように4か国語以上を話せるのは、私が日本で経験してきた考えとは、大きな違いがあるように思います。

まずオランダ人は、自国が小国なので、英語が話せて当りまえと思っています。そして、めぐみのお友達を見ていると、大概の親たちが当たり前に4か国語以上話せるので、その子供たちも、頭の中に、”自分も4か国以上話せて当たり前”と、子供の頃から自然とインプットされているのが伝わってきます。

親とも語学について話していると、大概の親が言うのは、「フランス語は簡単だよ。」と。なんと!日本にいると、フランス語は難しい、としか聞いた事がなかったので、驚きです。子供たちも、フランス語は簡単だと、インプットされているのだと思います。

日本では、英語を話せる親が少ない中、子供は英語の勉強をさせようとする。これも一つのやり方だとは思いますが、親が英語を使っていて、英語を使える事の必然性や、それが当たり前として子供が感じる方が、子供は英語を学びたいと思うのではないかと思います。

もちろん、2歳までに語学を習得しようとする事にメリットはあるのだと思います。しかし、将来、仕事で英語を使おうとするなら、高校・大学になっても維持したり、ブラッシュアップが必要になると思います。だって、いくら完璧な発音でも、小学校の基本の単語では、日本語だって英語だって仕事には適してないのですから。

それよりも、何歳になっても、どんな言語も習得できそう!と思って取り掛かれる能力の方が大切だと思います。大人になってから中国語を勉強していたり、日本語を勉強しているオランダ人に会います。彼らは、全く年齢の事を気にしてないです。

我が家の子供たちの日本語についても、同じように考えています。日常の中で、日本語の表現などは訂正するようにしていますが、読み書きは殆ど教えていません。出来るに越したことはないですが、本人たちが、日本語の読み書きがしたくなった時、また、聞いたこともない言語を学んでみたいと思った時、出来そうだし、やってみよう!と取り掛かれる能力が身に付けば、と思っています。

ママ