Simpel en Lekker

オランダでの日々の生活、子育て、仕事

子供たちは新しい学校に(超長文です)

オランダの学校は9月から新学年度が始まるのですが、
実は我が家の子供たちは二人とも今学年から、新しい学校に転校することにしました。

昨日が初登校の日でした。

 

初登校の学校に入る前の二人。

二人とも入学前から友達ができていたので、これは大きな支えとなったと思います。

 

なんで転校することになったのか?(息子編)

元々我が家のオランダへの移住は子供の教育のことも大きな理由な上、
イエナプラン教育に惚れ込んで、オランダのイエナプランの学校にまで入学したのに、
結果的に二人とも転校することにしました。

 

一番のきっかけは、一喜の飛び級でした。
Groep 4(日本の小学2年生)の一喜は、算数がよくできるため、元々算数だけ一つ上の学年に混じって勉強していました。一つ上の学年でもテストもいつも満点で、さらに難しい問題に取り組んだり、他の実験などをやっていました。

そして、昨年の12月に担任の先生から面談の要請があり、来年度はGroep 5(小学3年生)ではなく、Groep 6(小学4年生)に飛び級したらどうか?という提案がありました。

この決断は非常に迷うものでしたが、最終的には一喜の判断で一旦飛び級を前提に普段の学習計画を進めることになりました。これは一喜の仲の良い友達が同級生より一つ上の学年に多かったというのもあるかもしれないです。

ただ、一喜は算数は非常に良くできるものの、オランダ語(国語)は同学年ではできる方ですが、一つ上の学年だと平均レベルになるので、本当に上げてしまっても良いのかなと迷うところもありました。
そして、学力だけでなく、一喜はオランダ人の子供たちに混じると身長も小さいので、肉体的にも精神的にも飛び級はさせて良いものか、常に迷い続けていました。

周りの教育関係者やネットで論文を読んだりと飛び級について調べましたが、ポジティブなデータもネガティブなデータもどちらもあり、非常に難しかったです。

 

そんな中今年の2月に、以前一喜と同じクラスにいたものの転校して他の学校に行った友人の親と話す機会がありました。
話を聞いてみると、この友達も算数が得意で一喜と同じようなシチュエーションにいて、転校することを選んだそうです。そして、新しい学校には非常に満足しているようで、一喜にもおすすめしてくれました。

 

教えてもらったこの学校について調べてみると、
・ロッテルダムにある(家から車で15分くらい。送り迎えが必要)
・Gifted Child(突出した能力を持つ子供)の為の学校
・一学年につき一クラスで、生徒も最大22人まで
・ギムナジウム(オランダの大学進学のための中等学校)と連動していて、中学校の先生も授業を教えにくるし、先に中学の授業を進めることができる
というような学校でした。

 

お母さんも新しい学校を絶賛していたし、ウェブサイトで見る限り、一喜にもフィットする可能性があったので、一度校長と面談して、話を聞かせてもらって、中を見学させてもらうことにしました。(これが今年の3月)

実際に話を聞かせてもらって、学校を見学をしたところ、非常に良い学校だなと感じました。

理由としては、ただの勉強ばかりする英才教育の学校ではなく、
・IPCというプロジェクトベースドのカリキュラムがしっかりしている
・先生も子供も非常に成熟しているけど、性格が良さそうな人ばかりだった
・クラスのサイズが小さく、先生がしっかり生徒に目をかけれる
・コンピューターも一人一台あり、個別のカリキュラムもしっかり準備されている
・生徒の人種のダイバーシティが圧倒的に多様(土地柄のところが大きい)
・小学校からオランダ語と英語だけでなく、中国語、ロシア語、フランス語なども学ぶ
など、いろいろ素晴らしいなと感じました。

また、校長先生も一喜のオランダ語は聞いてる感じだと、こちらで対応して引き上げることができるし、算数の才能も伸ばせるし、是非検討してほしいとのことでした。

 

ただ、良いことづくしではなく、入学のためには審査に通らないといけないとのことでした。実際に入学するかどうかは、学校が入学許可を出した後に、じっくり考えてもらえれば良いとのことでした。

まずは、今の学校から成績などのさまざまな資料を送ってもらい、現在の担任の先生と新しい学校の校長とも話し合いが行われました。また、一喜も校長先生と面談をして、精神面の発達なども確かめられました。

もちろん現在の学校の担任の先生やIBという第三者的に生徒の学習指導をする先生たちとも相談し、一喜の今後についてもアドバイスを受けたり話し合いを重ねました。

この先生たちも新しい学校のことはよく知っており、非常に良い学校なので一喜にも良いと思うし、どちらの学校に行くとしても最大限サポートして、一喜のために最良の道を探ってくれました。

 

このプロセスが非常に時間がかかり、やきもきしたのですが、
結果としては校長としては入学にポジティブなのですが、評議会がオランダ語のスコアの低さを気にしており、追加でIQテストのようなテストを受けることになりました。(確かこれが5月のGW明け)

ちなみに一喜は小学校2年生ですが、算数は小学校5年生でもトップレベルで、オランダ語は平均的な小学校3年生のレベルです。

本当に算数は全く教えてないのに昔から得意だし、小学校1年生の時に、3歳上のめぐみが解けない問題をすごいスピードで解いて、めぐみの友達達に解き方を教えていました。

ちなみにIQテストのようなパズルのような問題も得意で、昔IQテストを受けたら140を超えていたので、正直このテストはあまり心配していませんでした。

 

入学許可がおりる

そして、5月の末にやっとのこと入学許可が降りました。
次の問題はどちらの学校にするかです。

残された選択肢は以下の3つ
1. 今の学校で飛び級をしない
2. 今の学校で飛び級をする
3. 新しい学校に行く


1. 今の学校で飛び級をしない
学校とは相談したのですが、この選択肢は学校側からは絶対にないそうです。
今のままのペースで勉強をしていると、一喜にとっては簡単すぎるし悪影響だそうです。
こちらとしては、算数だけ1学年か2学年上の授業を受けさせてもらって、他は焦らずのんびり進めばベストと考えていたのですが、学校として受け入れられないとのことです。

 

ということで、2か3で本当に迷いましたが、
最終的に一喜が1日お試しで学校の授業を体験してもらい、最終的に一喜が新しい学校を選ぶことになりました。

文字で書くと、あっさりですが、この決断は本当に迷いましたし、色々な人にも話を聞き、夫婦でも、一喜を交えても何度も話し合い、なかなか落ち着かない日々でした。
ちなみにこれが決まったのが学期末の6月でした。

 

なんで転校することになったのか?(娘編)

話は変わって、今度は娘のめぐみの学校についてです。

娘のめぐみは一喜と真逆のタイプで、読書少女だからかオランダ語が無茶苦茶得意で、算数はそれなりにできるというタイプです。(とは言っても学年ではトップクラスでできるのですが、それ以上に言語が強いタイプです)

オランダの学校は中学への進学は日本のように学校ごとに受験テストはなく、100%小学校での成績と内申点で決まります。

めぐみは今年の2月(小学校5年生が半分終わった時点)で、すでに中学校はどこの学校に言っても良いと言う一番上の内申点をもらっており、学力も小学校6年生終了時点で一番上のレベルの中学校に進むのに十分な学力だったので、来年は通常の授業は特に何もやることがない状況でした。

来年どころか、今の時点でも通常のお勉強は週に2日くらいやっているだけで(それも2時間くらいで終わっているみたい)、週に1度成績の良い子が集まって学外でのクラスに参加したり、スペイン語や英語などを別課題で勉強したりしていました。

 

新しい学校の校長と面談をしたときに、めぐみの話にもなり、このことを話すと、この校長がうちの学校で何か対応できることがあるかもしれないと言ってくれていました。

具体的には、この学校でも週に2回ほど、学校の授業だけじゃチャレンジが足りないこに向けたカリキュラムを提供しているので、ここに招待できるかもしれないとのことでした。

ありがたい話なので、こちらも一喜のことと同時進行で進めてもらうことにしました。

めぐみも一喜と同様に学校の成績を送りました。

 

こちらについては、ずっと進展がなかったのですが、校長に聞いてみると、このことも忘れてないので安心してくれとのことでした。

 

そして、月日は流れ、一喜の入学が決定した6月末に、「めぐみのことはどうなっているか?」と聞くと一度めぐみを交えて3者で面談をすることになりました。

 

そして7月の2週目(夏休み前の、年度の最終週の水曜日)にめぐみと校長の面談が行われることになりました。

めぐみは校長と話すのは初めてなので、ここからまた審査が始まってだと、この学校のカリキュラムに参加できるのは数ヶ月後かなーと思って面談に向かいました。

 

が、しかし!!

 

面談が始まってみると、めぐみは安定して高い成績だし、すでに入学許可は出ているとのこと!

 

そして、もっとびっくりしたのが、
校長先生から、「あなたのことはいつでもウェルカムなのだけど、うちの学校に週2日ではなくて週5日来ない?」とびっくりするような提案を受けました。

元々編入の空きがないため週2日しか可能性がないと聞いていたのですが、一人の生徒が引越しで転校したため、クラスに空きが1枠できたとのことでした。

 

そんなこといきなり言われても、こんな大きな決断ができるわけもなく、困ってしまいました。
めぐみもとりあえず学校がどんな感じか見てみないと決めれないので、見学させてくれと頼んでみると、「その翌日は学年末の最終日だから、今日このまま学校を見学して体験してみない?」と聞かれ、めぐみだけそのまま学校に残ることになりました。

めぐみが転入するかもしれないクラスに入っていくところを少しみていたのですが、めぐみがクラスに入って行った瞬間、フレンドリーな女の子がこっちこっちとめぐみを手招きして迎え入れてくれて、すぐに3人組の女の子グループにめぐみが加わっていました。

 

めぐみを迎えにいくと、とても嬉しそうな満足そうな顔をして
「もうこの学校に行くことに決めた!すごい良かった!先生も子供たちも凄いいい人ばっかりで、授業もとても良かった!」とのことでした。
おまけに3人も友達を作って帰ってきました。

 

そこからは、大慌てで今の学校の校長や担任の先生など関係者に連絡して、転校の手続きを取りました。
何せ決まったのが、学年度の終わる2日前です。

と言うようなことがあって転校に至りました。

 

前の学校の先生達も、本当に皆親切で、我が家の子供達のことを親身になって考えてくれて、転校も祝福してくれました。
そして、「学校でうまくいかなかったら、いつでも戻ってきてもあなた達の居場所はあるからね」とも言ってくれています。

 

僕たちも子供達もこの転校が良い決断だったと信じていますが、これを良い決断に持っていけるように引き続きサポートしていきたいと思っています。

 

とりあえず、最初の3日間は二人ともポジティブな反応でした。二人ともこの学校に変えて良かったと言っていました。
二人とも入学前から友達がいたのも大きかったでしょう。

ふー、やれやれです。