Simpel en Lekker

オランダでの日々の生活、子育て、仕事

プロバンス出張②

オーガニックハーブの生産者と打ち合わせをしたのですが、本当に素晴らしい出会いでした。

商談もうまくまとまり、今年の秋には日本でもオーガニックハーブを売りに出せるかなという感じです。


この会社の経営者は40代くらいの女性なのですが、とても素敵な方でした。
彼女は、14歳の時にドイツでオーガニックに触れてから、あっ、これ私の生き方だと思ったそうです。そしてパリの大学(ビジネス専攻)在学中に、インターンでドイツのオーガニックの企業で働いて、そのままその会社に就職したそうです。(彼女はドイツ語も英語も上手です。)
そして、この企業での経験を経て、地元のプロバンスに戻って2003年に独立起業したそうです。最初はオーガニックビジネスのコンサルティングや商品企画のコンサルなどをやっていたのですが、ビジネスに継続性がないため、なにか自分でできることはないかを考え、初期資本の少なさと、地域性を活かし、スパイス&ハーブのメーカーを2007年に始めたそうです。
顧客はベルギー、イギリス、ドイツ、スペイン、オランダ、ルクセンブルクなどがメインだそうです、日本の企業も一度だけいたそうです。
ちなみに、彼女は子供は2人いて、一番上の19歳の長女は今ブラジルにいるそうです。
また、常に外国人の留学生を無償で家に受け入れており、今はタイ人と秋田出身の日本人の高校生を預かっているそうです!
彼女と11時30分に会い、16時30分までランチも含めてたっぷり色々と話し、とても良い一日になりました。

この会社ではスパイス&ハーブの商品の生産以外にも、海外製品のフランスへのディストリビューションもやっているために、日本産のオーガニックの緑茶は売ることができるか聞いてみました。
(日本でオーガニックの緑茶を栽培・販売している会社からヨーロッパでの販売を手伝ってもらえないか頼まれていたからです。)
その返事ですが、「あなただから正直にいうけど、ちょっと今は厳しいと思う。福島の問題が起きてからフランス人は多くの人はみな日本製のものは口にしたくないと考えているから、少し時間をおいて信頼がもどってからアプローチするほうが良いと思う。また、オーガニックを買う人は健康への意識や環境への意識が強いから、余計に福島と放射能のことは影響が大きいと思う。」と言われました。
Lyonの街を歩いていても、パリのように日本食レストランは多くみかけますし、フランス全体で日本好きはあるのだなと感じる一方、日本産の食品に関してはみんな放射能の汚染を恐れていて、完全に悪いイメージがついてしまっているのだと実感しました。

東京オリンピックでは、イタリア代表の選手団は、日本の食の安全を危惧しており、すべてイタリアから食材を持ち込むことを検討しているようですし、歌手のマドンナも先日のワールドツアーで同様に日本の食材を食べずに全て持ち込んだという話は聞いていたのですが、まさか、一般の人の意識までこうなってしまったと聞いて本当にショックでした。

僕はオーガニック食品やキッチン用品の貿易事業をしているのですが、本当に日本食品をヨーロッパで売ることの難しさを痛感しています。(放射能汚染の問題。日本でだけ許可されている添加物によりヨーロッパで販売できない商品は多いなど。)

本当にあの事件が起こした負の遺産は、対ヨーロッパに対しては大きく、まだそのことの大きさを日本人はわかっていないと思います。

うーむ。

パパ