Simpel en Lekker

オランダでの日々の生活、子育て、仕事

オランダへの移住

この1ヶ月だけで、一度もお会いしたことがないかた4人からオランダへの移住の相談を受けています。

私達夫婦はこのブログ以外特に、外にオランダの情報も発信していないので、知り合いを通じての場合が多いのですが、移住の相談の多さにびっくりしています。

私達もオランダの環境が良いなと思いこちらに住むことを選んだので、とても気持ちはわかるのですが、相談を受けていて思うことも多いです。
だいたいどの方もお子様がいらっしゃってオランダの子育てのしやすさや教育環境を求めているかたが多いです。

オランダへの移住自体は、日蘭通商協定という日蘭の400年もの長い歴史もあり、VISAの取得はとても容易です。なので、こちらに住もうと思えば誰でも住むことができます。
ただ、やはり問題はきたものの、食っていけるのかどうかということだと思います。

こちらに来るには、基本的に3つしかVISAの方法はなく、
・高度技能をもった労働者として
・投資家として
・起業家・個人事業主として
のどれかでくることになります。

日本人やアメリカ人はこの起業家・個人事業主のVISAの取得がとても用意で60万程度の資本金を入れた個人事業主になるだけで、VISAを取得することができます。(実際には、かかる費用は、弁護士に払う費用や手続き費用や、登録のための住所や保険など他にもかかりますが)

ちなみに投資家VISAも日本円で2億円弱あれば、おそらく取得することが可能だと思います。

実際に来るのは簡単なのですが、食い口をどうするのか考えずに移住予定ですとみな言ってくるので、正直呆れてしまいます。
もちろん資産がある程度以上あって収入がなくても大丈夫な人は良いのですが(その場合2年後の更新ができるかどうかはわかりませんし、VISAの法律は本当にころころと変わります)、なぜか僕に相談してくる人は全員サラリーマンや公務員で、一度も自営業や会社経営の経験がないのに、起業家・個人事業主VISAで来ようとしています。

私自体は、オランダに来る前から、6年だけですが日本で起業家として商売をして生計を立てていたので、その難しさをしっているし、圧倒的に日本で稼ぐより海外で稼ぐほうが難しいです。日本でさえも5年で9割の事業は破綻しますし、オランダでもだいたい同じような状況です。

ちなみに、オランダの個人事業主の平均給与はサラリーマンを大きく下回り、アルバイトなどをしながら生計を立てている人も多いです。

その中で、言語やこちらのマーケットセンスのなさのハンディキャップを乗り越えて、事業を成功させるコミットとリスクに本当に耐えれるのかなと思う方が多いです。(ちなみに、移住コンサルタントや日本語を教えようとしたり、現地の日本人向けのビジネスを浅はかに考える人が多く、この数年でいきなり移住コンサルタントが急増しています。)

別に、子供がいなければいくらでも挑戦するのは良いことだと思います。私自体がそういう生き方のほうが好きですし、社会にとって起業家は有益だと思っています。

ただ、子供ことを考えての移住で、それでやってみてやっぱり無理だったといって日本に帰ることになるのは、子供にとって気の毒だなと、個人的には思うので、いつもアドバイスがとても難しいです。

びっくりすることにオランダに一度もきたこともないのに、オランダに移住を考えていますと相談をする人も結構いたりします。
良く言えば楽天的なのかもしれないですが、地に足がつかない頭がお花畑みたいな人が結構多く、しかも面識もない人で、どのように対応すればよいのかいつも悩まされます。

もし、移住を検討されているかたが、このブログを読んでいる中にもいらっしゃるなら、
・まず一度長期の休みをとってオランダにきて現地をみる
・VISAが可能かではなく、生活していけるのかを現実的にプランする
ということをしたうえで、ご相談いただけると嬉しいです。

日本にいる時は、月に何人か起業の相談を受けていましたが、多くの人が「起業したいのですが、話を聞かせてもらえませんか?」と相談をしてきて、結局起業をしないか、浅はかに起業をしてうだつがあがらない状況でした。
だいたいうまくいくやつは、自分の頭で考えて、自分で責任をとってやるので最初から相談の質が違いました。

オランダはとても自由な国ですが、自由には自分で考え判断して自分の選択に責任を持つことが裏側にいつも存在します。
子どもたちにも、自立した大人になり、情熱をもって挑戦する勇気を忘れずに育って欲しいと願っています。

パパ